佐伯獣医科病院
昭和57年 (株)佐伯、 佐伯獣医科病院 開業。
閑静な住宅地の中のアットホームな雰囲気の動物病院です。
平成27年1月全面リフォームしました。
広く明るくなった当院では、設備機械のさらなる導入も図り、正確で素早い診断と、
動物に負担の少ない最新の治療を充実させていく所存です。
西武池袋線保谷駅より徒歩10分のところにある佐伯良重院長の務める「佐伯獣医科病院」は、1982年の開業以来、この地に根付いて診療を行っている。2015年1月に改装した院内でまず目に飛び込んでくるのは開放的な診察スペース。アットホームな雰囲気を残したいという佐伯院長の思いが反映されている他、診療の様子をうかがえる造りは、患者へ信頼感を与える。医療機器を用いた技術提供に加え、佐伯院長の明るく親しみやすい人柄も、長く地域の住民に愛されている秘訣だろう。獣医師として、自身にはたいへんストイックでありながら、患者の痛みのわかる、女性らしい温かみや優しさを併せ持つ佐伯院長に、たっぷりと語ってもらった。
女性獣医師ならではのアットホームな空間の広がる院内
待合室から診察室がオープンに見える造りは珍しいですね。
診察室を個室にしているクリニックは多いですが、当院では、待合室からの導線を診察室、検査室、手術室、入院室と続くオープンなスペースにしています。どんな治療をしているか見えるのが安心とオーナーさまに喜んでいただいているので、そのようなアットホームな空間を残したいと思い一昨年の拡張リニューアル改装工事でもそれをそのまま残しました。ただ残念ながら診察室で愛するペットが先が長くないことをオーナーさまへ伝えなければならないことももちろんあります。しかしそんな話も次に待っている待合室のオーナーさまの耳に届く訳です。すると、それを聞いていたオーナーさまが、戻ってきたオーナーさまと一緒に涙して慰めてくれるんですね。そんな姿を見てまいりましたので、プライバシーがないのかもしれませんが、ただそういったオーナーさま同士の心温まる触れ合いがあるのが当院のいいところですので、そうした昔ながらの温かみを残した病院です。
動物は話ができません。また痛みを我慢する生き物です。そんな動物の状態を速やかに的確に把握するためには、血液検査や画像診断検査などから、さまざまなデータを得る必要があります。当院では、オーナーさまにとってもできるだけ時間や費用に負担がかからないようにしていきたいと考えており、そのために獣医療機械の導入を積極的に行っています。小動物診療の現場においては、体の小さいわんちゃんや猫ちゃんがが対象ですので、超音波診断装置による、心臓・腹部エコー検査は、血液検査のように、体に針を刺すという侵襲もなく、レントゲン検査による被爆の心配もなく、もちろん麻酔の必要もありませんので、安全に迅速に、CTに近い精度で、異常を検出することができる素晴らしいツールです。
最新の医療器械を完備しております。
診察室には、超音波診断装や・眼科・耳鼻科検査機器、検査室には、血液凝固検査機器、急性相蛋白濃度測定装置、血液ガスなどの血液検査機器を設置しております。レントゲン室にはデジタルX線検査機器、また、施術室には、ベンチレータ付き吸入麻酔機器はもちろん、電気メスや超音波メスなどの医療機械を導入しております。入院室には、ICU設備も用意しております。獣医師は、院内にて歯科も診療いたしますので、歯科ユニット機械も導入いたしました。臨床獣医師は職人さんと同じで、いい道具がないとその技術も生かせません。医療機械の導入に対する投資は惜しまずにやってきました。それが私にとって小さな命を私に託してくれる患者さんたちへの責任と恩返しでもあると思っております。 最近はペットも高齢化してきましたから、心臓疾患・腫瘍疾患の割合が増えてきました。私たち町医者に必要とされているのは、迅速に無駄や無理のない診断技術を駆使して、病気で来院した子がその時点でどういう状況にあるのかを正しく判断し、現在の獣医療でできる、科学的根拠に基づいた治療法の選択を正確にオーナーさまにお伝えするということです。獣医は、人の総合診療医と同じで、内科も外科も、時には産科婦人科、泌尿器科、そして眼科や歯科にまで、そして、その患者さんが高度医療を望むのであれば、その子にとって一番適切な専門の先生に辿り着かせてあげることまで、マルチな知識を求められています。毎日の診療において、自信を持って自分の診断を行っていくためには、日々知識のアップデートをして、勉強を続けていかなくてはなりません。
診療で大切にしていること
まずはオーナーさまの意向をしっかり聞くことに努めています。オーナーさま全員が高度医療を望まれるわけではありません。ホームドクターの私のもとで、命を全うさせてあげたいと言ってくださる方には、オーナーさまの立場に立って考えて、いくつか提示する選択肢の中で病状に一番適した方法で、「無理をさせないように今からできることを最大限やっていこう」とお話をします。
診療において大切なことはコミュニケーション
かわいい子の病状の悪さを知って、よくご自分を責めるオーナーさまもいらっしゃいますが、与えられる限りの愛を与えることが一番ですよとお伝えします。コンパニオンアニマルとして、家族の一員として強い絆で結ばれるペットたちは、私たち人間よりはるかに短い寿命ですから、どうしても、悲しいお別れの場面に、私たち獣医師は幾度となく立ち会うことになります。そんな時でもオーナーさまのお心を考え、そして旅立つ子たちに最後にしてあげられる最善を尽くしてあげたいと思っています。 そして残されるオーナーさまの痛みを分かち合える、温かいホームドクターであることが、私らしさであり、私のやり方であると思い、獣医師としての最後の幕引きまでそれを貫きたいと思います。
飼い主に還元する思いを忘れず、今後も診療を続けたい。
獣医師はペットの病気という苦しみと痛みの裏側に立つ、生死に関わる仕事ですから、この仕事を楽しいと言える獣医師がいるとしたら、私には正直それが理解できなくて。あの時こうすれば……という後悔と懺悔の思いは、自分がいくつになっても、それは自分が死ぬまでつきまとうと思います。ですから当院で私に最期まで診て欲しい、と言ってくださるオーナーさまとその命を託してくれるかわいい子たちのために、「自分のできる最高の治療を施してあげられるよう勉強しよう!」と、獣医人生にも悔いの残らぬよう、知識も設備も一流でありたいという思いでここまで頑張ってきました。「佐伯先生はどの勉強会にもいますね」と若い先生たちに笑われるぐらい、東京では勉強フェチなおばさんで知られていますよ(笑)。獣医学の進歩は日進月歩で、日々情報がアップデートされていきます。頑張ってついていこうと思ってます。
私はこの仕事が自分に合っているなんて、少しも思わずにこの年に至っているのですが、最近周りの獣医さんたちに「佐伯先生って、天職だね」と言っていただくことが多く、小動物の臨床獣医師に向いていたのかなあと思うようになりました。長い経験を積んでどんな症例が来てもきちんと自信を持ってオーナーさまに「安心してください、大丈夫ですよ。」と答えてあげられるようになりました。35年近くやっていると、うちに来てくれていたお子さんが成長し結婚して、子どもが生まれて、そのお子さんが今は高校生や社会人になっています。親子二世代で慕って来てくださるオーナーさまを見ると、ここで開業医として長くやってきて本当に良かったなと思います。
これからも獣医師としてのスキルアップを続けていくことで、自分が積み重ねてきた経験と知識を私を信頼してくださるオーナーさまと私に命を預けてくれる子たちのために、日々の診療の場で還元していくのだという思いを忘れずに診療を続けたいです。それ以外に何もありません! いずれにせよ、医療機器だって、知識だって、持って死ねるものではないんですから(笑)。病院を閉める、最後の日まで獣医師として出来る限り最新の獣医療について学んで、それを還元していくのだという姿勢を貫いていけたらと思っております。
動物は話ができません。また痛みを我慢する生き物です。
そんな動物の症状を速やかに的確に把握するため、血液検査や画像診断検査などから様々なデータを得る必要があります。
そのために当院では最新の獣医療機械の導入を積極的に行っています。
一例として最新の高性能超音波診断装置にて素早く安全に腹部および心臓エコー検査ができます。
血液検査も院内において、CBC・生化学・血液凝固系検査機、炎症総蛋白検査機などの血液検査機器を設置しておりますので、外注での検査結果を待つことなく、院内で迅速にこなすことができます。
またデジタルX線検査機器FCRを始め、ERBEのバイクランプ・電気メス等により手術時出血を最小にとどめて、縫合糸肉芽腫の危険のある糸による結紮をほとんど行わず、手術時間も最短にすることで、動物の負担を減らし速やかな回復を考慮しています。
万全な術後管理のためのICU設備も完備しております。
また獣医科用の歯科ユニットも設置、安全で正しい歯科治療にも力を注いでいます。
すばやい診断と処置、速やかな回復に役立てることを目的としての最新設備機器の導入ですが、それ以上に大切なのは、日々進歩する獣医学を学ぶ姿勢と考え、セミナー等に積極的に参加し、情報をアップデートし続けております。
そして院長・看護師ともども、患者様の側にたった心配りを忘れずに、常に心のこもった診察・診療を行うことを目標にしております。
FCR(画像診断システム) | レントゲン | 超音波検査機 |
血液生化学検査機 | 血球計算機 | 血液凝固系分析器 |
炎症性蛋白濃度測定装置 | ソノサージ手術用超音波メス凝固切開乳化吸引装置 | 歯科用ユニット |
遠心分離機 | カウンターショック | 薬の分包機 |
電気メス(バイクランプ付き) | ベンチレーター付き麻酔機 | 点滴装置 |
ガス滅菌機 | 麻酔モニター | ICU(集中治療室) |
血液ガス分析装置 | 尿化学分析装置 | 免疫反応測定装置 Vcheck V200 |